基礎練習と検定試験

時差ボケで最も烈しい睡魔に襲われる時間帯に、フランス語検定試験というものを受けてきた。試験なんて十年ぶりぐらい。でもせっかく日々、フランス語に触れる機会が多いのだからこれを機にしっかり身につけてやろうと、嫌いな試験を受けることにしたのだ。いちばんの収穫は、試験に受かる受からないではなく、バットの素振り練習のような基礎練習に打ち込む期間を設けられたこと。つまり、文法や、動詞変換や、基礎単語といった、単純で退屈だけど、とても大切な知識を身につけられたことだと思う。

わたしは天の邪鬼な性格もあって、誰かに教わったり、学校で習ったり、ということをされたとたんに勉強する気が失せてしまう厄介な人間。自分の意志で、やりたいことをやりたいようにやる。それを続けることが、自分にとっていちばん効率がいいということがよくわかってきた。そこでここ数ヶ月ほど、好きなようにフランス語を勉強していたのだけれど、そうするとどうしても即戦力な勉強方法に偏ってしまう。会話をしたいなら、誰かフランス人をつかまえて話す。本を読みたいなら、自分の好きな作家の小説を無鉄砲にも原語で読んでみる。いうなれば、最低限の防具一式も揃わないうちに戦場に出てしまうわけである。

でも、これはやっぱり戦いづらい。ちっぽけなハエ叩きしか持ってないのに、刀剣をもった相手と五分に渡り合おうとするのだからあたりまえだ。で、検定試験一週間前になってはじめて嫌いな文法に手をつけてみる。動詞変換も地道にノートに書き写してみたりする。と、これが意外におもしろい。あっ、このあいだの会話で使ってた、あの単語はこういうふうに書くのね、なんて耳から入ってきた生半可な知識がひとつずつ血肉化していく。

そしてなんであれ基礎練習は大切であることを再認識。わたしはいつも、とりあえず実戦の場に出て痛い目を見て、それで自分の足りないところを後追い的に勉強することが多い。それで、とりかえしのつかない過ちを犯すこともしばしある。だから、もういい大人なんだし、あまり痛い目をみないですむように、もう少し段階を踏んだ勉強方法を試みてみるのもいいかもしれない。

まっすぐ勉強して、まっすぐ知識が身につくのはとても気持ちがよい。
そもそも私は不器用だから、どんなことも、人よりもいっぱい勉強して失敗しないと、
あたりまえのことさえ身につかないのだ。謙虚にこつこつ進んでいこう。

(November 15, 2009)



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