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遊び上手は仕事上手
気づいたら今月は二日に一本のペースで原稿を書いている。いくら書くことが好きだからといって、これはやりすぎ。さすがにパソコンに向かうことが億劫になってくる。そして億劫になると文章もろくな代物じゃなくなってくる。それが分かっているので、最近は疲れたらあえて気晴らしをするようにしている。
別にたいしたことをするわけじゃない。部屋にある巨大窓を全開にグータラに半刻ほど昼寝をしたり、まえまえから興味のあった源氏香のワークショップに参加してみたり、豆乳をつかったスムージーをみずから開発してウマイとほくそ笑んだり、デヴィッド・リンチの映画を見返してパトリシア・アークエットの淫靡なおっぱいに同性ながらに惚れぼれしたり。とにかく自分がここちよいと思えるひとり遊びに耽る。そうするとエネルギーが充填されて、さっきまで書いていた原稿にも新鮮な気持ちで向かいなおせる。昔は締切が迫っていると、たとえなにも文章が頭に浮かんでこなくとも「パソコンのまえに座りつづけていなければ」と強迫観念にかられていたけれど。最近は逆に、気分を切り替えて15分でも30分でもいいから真剣に遊んじゃうようにしている。
つまりなにか脳内に、適度な、快楽物質が放たれる行為にいそしむのだ。すると不思議や不思議、爽快なスタートを切ったアルペンスキー競技者のように、すいすいと筆が運びはじめることがある。遊び上手であることは、仕事上手につながる。これは最近のわたしの勝手な仮説だ。
最近ニュースで日本人の年間労働時間は1900時間にものぼると知った。ヨーロッパのそれが平均1300時間なので、その差はなんと600時間! 一日七時間労働だとすると、日本人はヨーロッパ人よりも、約85日分も多く働いていることになる。これは一年の約1/4の日数だ。でも労働時間がただ多いことが、生産性をあげること、あるいは経済を活性化することに、そのままつながるかと考えるとちょっと疑問。最近、会う人会う人、金と時間のなさにちょっぴりヒステリックになっているので「少しぐらい気晴らしに遊んじゃったほうが、気持ちに余裕が出ていいなじゃいの?」とノー天気な私は無責任に考えてしまったりする。まあこれは個人的な意見なので、全員にあてはまるとはもちろん思わないけれど。今日の東京はピーカンの晴天。こんなにお日様がごきげんなときに、カフェテラスでおいしいコーヒーを飲む時間も持てなかったら嫌だな。
(October 27, 2009)
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