Interview リャーン・ベンジャミン / ダンサー

April 20, 2010
Interview リャーン・ベンジャミン / ダンサー

山椒は小粒でもぴりりと辛い。英国ロイヤル・バレエ団で17年プリンシパルとして踊りつづけ、英国帝国勲章受賞者でもあるリャーン・ベンジャミンは、理想的な細身のバレリーナ体型で身長たったの158cm。「ハロー、今日はよろしくね」と挨拶するその姿は十代の可憐な少女のよう。だがひとたび取材が始まると、大企業のビジネスエリートのように鋭利に質問に応えていく。イエスのときはイエス、ノーのときはノー。彼女のバレエ哲学には曖昧さがない。そして明日のほうがほんの少し今よりよいダンサーになれるよう、努力家な彼女は今日も稽古場のバーの前に立つ。 »

Interview 野田秀樹 / 劇作家・演出家

April 7, 2010
Interview 野田秀樹 / 劇作家・演出家

野田秀樹のことを茶化して「大人げない」という人たちがいる。けどおそらくこの非難は、的外れだ。なぜなら野田は大人「げ」ないのでなく、大人「で」ないのだ。彼のなかでは間違いなくいまだに、1日は40時間あり、体重は20キロであり、3歳児の学習臨界期を越えていない。そして彼はその自由自在な時間と重力と脳内速度を駆使して、天衣無縫の妄想世界を舞台上に壮大に織りなす。今も昔も演劇界の最前線をひとり切り拓いてきた真正の麒麟児は、観客を、大人でない少年時間へといざなう。くらくらと目眩のするような、言葉の金斗雲に乗せて。 »

Interview 岩松了 / 劇作家・演出家

February 1, 2010
Interview 岩松了 / 劇作家・演出家

劇作家・岩松了の芝居では、個々の登場人物が幾億光年へだてた惑星のようにぽつねんと孤独に浮いている。「人と人とは言葉によって完璧に理解しあえる」なんて、幻想にはきちんと折り合いをつけて。それでも舞台上の人々は、性懲りもなく他者への2ミリの理解を求め。臆病に、必死に、言葉を交わす。だから彼の芝居では「えっ」なんていう小さなセリフの奥底に、大河のごとき感情の濁流が流れていたりする。いわば「えっ」と言葉を呑みこんだその人間の体にこそ、岩松戯曲の真髄はあるのだ。 現在までつづく、某演劇雑誌でのロングインタビュー第1弾。 »

Interview ジル・ロマン / 芸術監督・ダンサー

January 17, 2010
Interview ジル・ロマン / 芸術監督・ダンサー

「他の誰でもなく彼だけが……私のバレエを、継続し、保存し、所有するただひとりの人間だ」。2年前に逝去したバレエ界の巨匠モーリス・ベジャールから、まるで父子のような深くゆるぎない信頼をえて、ベジャール・バレエ・ローザンヌの芸術監督職に就任したジル・ロマン。この新たな統率者のもとカンパニーは、巨星を失ったのちも決して灰まみれの死火山になることなく、ベジャール自身も好んだ進取の気性にとんだ活発な創作に挑みつづけている。 »

Interview ピーター・マーティンズ / NYCB芸術監督

December 20, 2009
Interview ピーター・マーティンズ / NYCB芸術監督

ニューヨーク・シティ・バレエの芸術監督として、単独でカンパニーを率いるようになり今年で20年。西62丁目のオフィスビル、燦々と夕陽がさしこむ摩天楼最上階のディレクターズ・ルームで執務を取りしきるピーター・マーティンスは、63歳とは思えぬ若々しい好奇心で筆者を迎え入れてくれた。その小さな録音機は日本の最新機器か、東京の観客は今回の我々のプログラムをどう思っているのか。どちらが取材をしに来たのか分からぬほどの質問攻め。だがこの旺盛な好奇心があってこそ、ゆうに50を越えるシーズン演目を、つねに時代とズレのない視点で選び抜くことができるのだろう。NYCB2009 日本ツアー公式プログラムのために執筆したインタビューを転載。 »

Interview ロメオ・カステルッチ / 演出家

December 11, 2009
Interview ロメオ・カステルッチ / 演出家

現代演劇界における異端の創造者。イタリア人演出家ロメオ・カステルッチには、アーティストというより「創造者」という称号が似つかわしい。それほど彼の生み出す作品群は、たった独りの人間によるものだとは思えぬほど圧倒的な知的精度とヴィジュアルイメージで観客に迫りくる。なかでも今回日本で上演されるダンテの『神曲』三部作は、鬼気迫るカステルッチの才能をみせつける大作群。この舞台に関して演出家本人に、今年4月ロンドンで取材を行った。強靱なロジックに裏打ちされた発言が、この創造者の尋常ならざる特異さをあらわしている。 »