
振付家フレデリック・アシュトンはかつて南アフリカ出まれのダンサー、ナディア・ネリーナのために『リーズの結婚』を作りあげた。それからちょうど半世紀。アルゼンチン出身の舞姫マリアネラ・ヌニェスは、まるでそれが自分のために仕立てられたダンスであるかのようにリーズ役をものにしてみせる。また二年前に初挑戦した『ロミオとジュリエット』でも、英国ガーディアン紙から「舞台にいるダンサーのために物語が書き下ろされたように思える」という賛辞を獲得。どうやら現在のヌニェスは、ダンサーとしての最盛期を迎えつつあるようだ。19歳にしてプリンシパルの座に就いてから、早くも8年。コスモスのように朗らかな彼女ならではの少女っぽさに、成熟した女性らしさをまといつつあるヌニェスと、3月某日、『リーズの結婚』の本番翌日に言葉を交わした。 »