去るニューヨーク・シティ・バレエの来日公演で、もっとも観客を沸かせていたダンサーのひとりが弱冠25歳の俊英ダニエル・ウルブリクト。2年前にプリンシパルに昇格して以後、めきめきと頭角を現し、いまでは芸術監督ピーター・マーティンスの期待を一身に背負い、かつてバリシニコフが踊った『放蕩息子』や『ファンシーフリー』などの演目を次々に任されている。確かに、見るもの誰をも惹きつける陽性の舞台プレゼンスと、8回転ピルエットを難なくこなし小さな笑みを浮かべスッと制止してみせる正確無比なテクニックは、未来の大器を予感させる。自分の長所も短所も見極め、ざっくばらんに言葉にする。その躊躇いのないすがすがしさこそが、彼の踊り手としての最大の武器だ。 »
