Interview 宮永愛子 / アーティスト

October 18, 2010

triennale100826_2—- あいちトリエンナーレで発表された新作『結―ゆい―』について伺います。まず本作ではなぜ、創作素材として、堀川の塩を使おうと思われたのでしょうか。場所にこめられた意味や思いを、具体的なエピソードどともにお聞かせいただけますか。

宮永 京都出身の私にとって、名古屋のイメージは通り過ぎる街。長く滞在することはありません。なので当初は町のシンボルである名古屋城の方角さえわかりませんでした。今回は、そんな自分自身の目線を大切にしつつも、名古屋の新しい発見に結びつくような展示をしたいと思いました。いつも私は、着想時に土地に流れている「過去の時間」を見つめます。現在は昔の続きにあるからです。はじめに名古屋の下見に訪れた時、お城につながる川を見つけ、その存在にとても惹かれました。こういう出会いとインスピレーションを、私は作品のはじまりとしてすごく大切にしています。その川について調べると、400年前の築城の際、木材を運ぶ運河であったことがわかりました。つまり「木の道」です。またこの川は、ものの売り買いのはじまる場所、名古屋の城下町の始まりであったことも知り、ますます魅力を感じてゆきました。

—- そうして堀川と、様々な要素が結びついてあのような展示になったわけですね。

宮永 そうです。人の手によって生み出された堀川、その川の流れと共に発展していった町や景色。川によって森と海がつながり、お城と海がつながっていく。とてもイメージが広がっていきました。また実際に木曽川の源流に行くととても遠くて「こんな森から木はやってきたのか、まさか木は森に生まれてお城へ行くとは思っていなかっただろうに」などとも思いました。自分も誰でも、多分、迷いながら今を流れつづけ生活していますよね。この一度目のトリエンナーレもつづき流れていくものでしょうし。そんな思いもいろいろとリンクしてきて……「流れの往来」が作品のキーポイントに。ナフタリンで靴の象りをつくり「足元の往来」のイメージへとつながってゆきました。こうして、いろいろな場所と景色、記憶が時間を超えて結ばれていくことを想って『結―ゆい―』と名づけました。

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This entry was posted on October 18, 2010 at 00:42.

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