Interview ピーター・マーティンズ / NYCB芸術監督

December 20, 2009

martins_teaching—単独でNYCBの指揮をとるようになって今年でちょうど二十年。09/10シーズンの52演目のラインナップにも、あなたの現在に至る監督方針が表れているように思います。つまりあなたは、ジョージ・バランシンやジェローム・ロビンズといった巨匠振付家による遺産を受け継ぎながらも、それだけに頼ることなく、成功が保証されていない新人振付家の作品も採用している。現在、芸術監督として考えられていることを教えてください。

このカンパニーの芸術監督に着任した当初から、私のなかには不動のふたつのミッションがあります。ひとつはカンパニーの遺産を保持すること。もうひとつはつねに前身しつづけること。このふたつの目標はいっけん矛盾しているように思われます。けれど実際は、このふたつの指針がバレエ団設立当初からあったからこそ現在のNYCBが存在する。つまりたえざる挑戦のなかで伝統が培われてきたわけです。なので私には毎年、伝統と革新双方のことを考えてレパートリーの均衡を保つ責任が課せられる。不景気だからといって新人作品の上演をとりやめるようなことはありませんし、また逆に、年々バランシンという名前にぴんと来る客が少なくなっているからといって『セレナーデ』や『放蕩息子』を永久に封印してしまうこともありません。

——つまり言い換えるなら、商業的に市場分析をして観客に媚びたレパートリーを選ぶのではなく、新旧問わずカンパニーの芸術性を保持する演目に挑戦していくということですね。

そのとおりです。ただこれは隠さずに申し上げますが、私たちも別にマーケット分析をしないわけではありません。ニューヨークという絶えざる変化を宿命づけられた街でバレエ団を運営しているわけですから、観客がなにを望んでいるかというリサーチはできるかぎり行います。ただだからといって、そのリサーチ結果に則ってすべての演目を決めるようなことはしません。そうではなく大切なのは、調査結果を一貫性のある自分のフレームで読み直していくことです。

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This entry was posted on December 20, 2009 at 23:03.

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