Interview ジル・ロマン / 芸術監督・ダンサー

January 17, 2010

 ベジャール自身、観客個々の生き方によってさまざまな深度の解釈が可能な懐の広い作品を作りつづけた。そしてだからこそ、知的階級にも一般大衆にも同等に愛された。ベジャールの死後、製作されたBBLのドキュメンタリー映画『ベジャール、そしてバレエは続く』のなかでも、町のタクシー運転手からお偉い学者先生まで、あらゆる階層の人々が、ベジャールの魂の大きさに敬意を表している。これは、凄いことだ。

「なぜベジャールがこれほど多くの人々に愛されたかですか? その理由は一つです。彼が天才だったからです。それ以上の説明はまったくいりません……。ただあえて付け加えるなら、彼は初めてバレエを民主化した人だったから。初めて、映画のように三時間ノンストップで上演される大作バレエを作った人だったから。また初めて、ダンサー自身の個性を尊重した振付家だったから。だから多くの人々に愛されたのかもしれません。とにかく彼の偉大さをここで2分で説明することなどできませんよ(笑)」

 ロマンはいま、そんな偉大な魂の後継者となることを課せられている。そこには想像を絶する重責が伴うことだろう。だがインタビューの最後にジル・ロマンは意外にも、BBLを率いる「喜び」を語ってくれた。

「私は、新作を制作しているさなかに喜びを感じます。5月に『ル・コンクール』を上演したときのように、まるでモーリスが生き返った思いがするときに喜びを感じます。ダンサーや振付家が興奮しているときに喜びを感じます。作品が成功したときに喜びを感じます。とにかく喜びは様々です。それは簡単に得られるものではありません。でも、そのために私は前進していくのです」

初出:シアターガイド 1月号 一部改訂

Pages: 1 2 3

This entry was posted on January 17, 2010 at 21:23.

Leave a Comment