Interview エドワード・ホール / 演出家

July 20, 2009

——なるほど。確かにプロペラの作品は絵的な強さに溢れていますよね。ただそれと同時にあなたはロジャー・ウォーレン(エドワードの父ピーター・ホールとも仕事経験のあるテキスト・エディター)と非常に綿密なテキストの分析作業もなさると聞きました。
 そうです、ロジャーはとても大事な仕事仲間です。まずロジャーと僕は稽古がはじまるまえに何度か会って芝居の方向性について話します。そして僕の演出意図を、ある程度わかってくれた時点で、ロジャーは勇敢にシェイクスピア戯曲の刈り込み作業に取りかかっていきます。ただ僕はロジャーと会うのと平行して、マイケル・パヴェルカ(プロペラのセットデザイナー)とも話し合うんですね。それで戯曲と美術の作業をいっしょくたに進めていく。そして理想としては稽古初日までに、言葉とヴィジュアル双方の準備を役者のために整えておくわけです。

——これは個人的な見解ですが、現代の英国演劇界ではプロペラのような無名集団が評価を受けるケースは珍しいように思います。どちらかといえばジュード・ロウやデヴィッド・テナントが『ハムレット』を演じるとボックスオフィスが潤う、という「セレブリティ・パワー」によって成り立つ興業が多い気がします。
 それはそうかもしれません。でも、僕はそれが一口に悪いことだと思いません。より多くの人間が劇場に足を運んでくれるのなら、理由はなんであれ嬉しい。ちなみに僕らの芝居の客層に関して少し話すなら、毎年ストラットフォード・アポン・エイヴォン(シェイクスピアの生地)を詣でるような玄人筋から、「ハムレットって誰?」というような若い男女までかなり幅広い客層に認められています。しかも世界中どこにいっても動員が90%を切らない! これはすばらしい。ようやく僕らの10年間におよぶ地道な活動が実ってきているように思います。ただ本当の本音を告白するなら……、僕は自分が楽しむために芝居を作っているだけ。もちろん人が楽しんでくれれば、またお金をもらって新作を作れるからとても嬉しいですけど。それはある意味、副産物にすぎない。なにをするのであれいちばん大切なことは、自分がそれを心から楽しむことです。

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This entry was posted on July 20, 2009 at 20:23.

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