ドキュメンタリー演劇

【BLOG】リミニ・プロトコルの「顔のある統計学」

以前のブログ投稿に書いたレバノン出身作家 ラビア・ムルエにつづき、今回は リミニ・プロトコル紹介をします。とはいえ来週東京で『 100%トーキョー』を上演する彼らのことは、とっくに良く知っている人も多いはず。彼らはいわばドイツの「ドキュメンタリー演劇」シーンの代名詞的存在とみなされる人たちで、コアメンバーはシュテファン・ケーギ、ヘルガルド・ハウグ、ダニエル・ヴェッツェルの3人。彼らの作品は日本でも、何作か紹介されています。

01_Rimini1                                Das Kapital / Photo © Sebastian Hoppe

鉄道模型マニアの老人たちが、自国スイスの歴史とそこで生きる自分たちの人生を物語っていく『 ムネモパーク』(2008年来日)。マルクス研究者たちが昨今の貨幣や労働価値の破綻を実人生にあてはめて痛快に説いていく『 資本論』(2009年来日)。観客がまるで貨物のようにトラックの荷台に積まれて、東京近郊の消費物流ルートを見てまわる『 Cargo Tokyo-Yokohama』(同年来日)。またゼロ歳でドイツ人夫婦に養子にとられた韓国人女性の複雑なアイデンティティ問題を本人の語りにより淡々と紡いでいく『 ブラックタイ』(2011年来日)などです。これら一連の作品には、共通点がいくつかみられます。それは職業俳優が登場しないこと、ミメーシス的な演技を要する役柄が存在しないこと、そして単線的な筋行動としての戯曲が存在しないことです。つまりリミニ作品では、この世界に無数にちらばる現実の小さな物語に焦点があてられ、その物語の創造者であり実践者である当事者たちが括弧つきの「パフォーマンス」をしていくわけです。

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Posted on by K.Iwaki in BLOG / ブログ
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