アジア

【Article】アジア的な受容性を肯定する:「憑依」するフィジカルな批評

viewpoint79

公益財団法人セゾン文化財団が年4回発刊しているニュースレター『viewpoint』の79号・特集「舞台芸術の新しい批評の場」に寄稿させていただきました。

以下ウェブサイトから全文読むことが可能です。

>>> viewpoint vol.79 http://www.saison.or.jp/viewpoint/pdf/17-09/viewpoint79_iwaki.pdf

 

 

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【Article】日本の過去や未来とも重なる、現在進行形のドキュメンタリー演劇 マーク・テ『Baling(バリン)』

 

Photo by June Tan Courtesy of Asian Arts Theatre

Photo by June Tan Courtesy of Asian Arts Theatre

クアラルンプールに降り立つと、日本の「過去」と「未来」を同時に生きているような不思議な感情が去来する。「日本も昔はこうだったのか」とふと思うのは、マレーシアという国の若さと、それに付随する国民の熱さに接したとき。マラヤ連邦が宗主国イギリスから独立を果たしたのは、まだほんの六〇年程前の出来事。人間に喩えるなら、この国はまだ思春期のさなかにある。だからこそここで暮らす若手政治家や芸術家たちは、「未来は自分たちの手で切り拓く」という、まるで幕末の志士のような信念を抱いている。

本作の演出家マーク・テは、マレーシア人民公正党の若手政治家であり、本作のパフォーマーのひとりであり、かつ自身の大親友でもあるファーミ・ファジルの結婚式に参列した際、「もしここでテロが起きたら、国の歩みが三十年遅れる」と心底恐ろしくなったという。彼の言葉に驕りはない。マークは自分のような欧州で学んだ芸術家や、ファーミのようなリベラルな政治家は、マレーシアの日進月歩の成長に不可欠なエリートであることを素直に認識しているのだ。こうした国と向きあう誠実さは、日本が過去に置き去りにしてきてしまったもののように思える。

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【Interview】マレーシア特集『B.E.D.(Episode 5)』 リー・レンシン インタビュー

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「天下り」ならぬ「回転ドア」と呼ばれる政府と大企業による癒着の連鎖により、マレーシアでは公共空間が次々に、娯楽施設やショッピング・モールなどの商業地に変貌しつつある。そんな社会情勢を背景に、「公共空間」に焦点を当てたダンス・パフォーマンスを作りつづけているのが若手振付家のレン・シン。今年のフェスティバル/トーキョーでは、プライベートな空間を象徴するマットレスを様々な場に配置する『B.E.D.』シリーズを改訂上演することになる。

——幼少期にバレエを習いはじめてから、コンテンポラリー・ダンスの振付家として活躍するようになるまで、ご自身の経歴を詳しく教えてください。

母親が中国文学の大学講師、父親が太極拳の師範、というマレーシアの中流家庭で育ったわたしは、なんのためらいもなく、ただ「姉妹が習っているから」という理由だけで、バレエ教室に通いはじめました。振り返ってみるとわたしの人生の最初の16年は、とても無邪気なものでした。自分の感性は東南アジアで培われた内省的で繊細なものであること。またその繊細さはバレエなど西洋の舞踊技術では表現しきれない部分があること。そんなことにはなんの疑問も持たず、ただ踊っていました。踊ることへの批評性は母国を離れることにより、徐々に培われていったように思います。 初の海外生活はシンガポール。16歳のときにASEAN奨学金を得て、まずはAレベル(大学進学コース)課程に進み 、その後、シンガポール南洋芸術学院ダンス科で、グラハム・メソッドから南東インド古典舞踊クチプディまで、様々なダンスを学びました。またシンガポールではT .H .Eダンス・カンパニーの準団員として、芸術監督クイック・スィ・ブンのもと振付家として小さな作品を作りはじめたりもしました。ただこの頃のわたしはとても優等生で「ルールに則ってダンスを踊ること、作ること」に必死だったように思います。 Read more

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