【NEWS】Scene / Asia プロジェクト始動

さる 9月 8日、韓国最大級の文化施設として国内外から注目される「韓国・光州アジア芸術殿堂」が韓国光州市にオープンいたしました。Scene / Asia(シーン・アジア)の設立イベントとしてメンバーが一堂に介し、2015/2016年度のプロジェクト内容を発表いたしました。美術、演劇、社会学、といった複数領域にまたがるプロジェクトとして企画を発展させていきたいと考えています。

Scene / Asia とは、アジアにおける観客空間を活性化するべく立ち上げられたツール&プラットフォームです。アジアにおける芸術批評は、批判と同義語として受け取られ、ほぼネガティブな印象しか持ち得ていません。生産的な思考・批評空間をアジアに根付かせるためには、その前提条件として、クリティカルな視点で芸術を楽しみたい観客を発掘・育成する必要があります。そのような思索的観客空間を、アジア諸都市で活性化すべく立ち上げられたのが Scene / Asiaです。

Scene / Asiaでは、パフォーミング・アートとパフォーマンス・アートという、身体を用いた時間芸術にフォーカスします。アジア隣国間で身体芸術について語る際の共通言語が「西洋基準」という状況をすこしずつでも改善すべく、本企画ではアジアにおける「シーン」の理解を二重の意味で深めていきます。二重の意味 でのシーンとはつまり「社会状況としてのシーン」と「舞台場面としてのシーン」のことです。各地域での芸術表現を下支えする「社会」と「作品」をともに理解していきます。

Scene / Asiaは、5つの地域による国際共同プロジェクトです。現時点での参加地域は、中国、韓国、シンガポール、台湾、日本になります。これら5地域の「シーン」に根ざした複数のキュレーターが、年間共通テーマに沿ってリサーチ&キュレーションを行い、その過程や成果を、第一に4言語展開のウェブサイトで、第二に観客との共同イベントを介してアクティブに共有します。


【Scene / Asia 2015/2016年度キュレーショントピック】

変容する舞台:民主主義を翻案する

近年、アジア各国で民主主義を希求する運動がさまざまなかたちで浮上しています。オンラインとオフラインの二重生活を送る若者たちは、インターネットで見聞する西洋型民主主義が、フィジカルな日常で体現されていないことに不安と憤りを抱きはじめています。しかし、そもそも西洋近代からの輸入思想である「立憲民主主義」は、そっくりそのまま現代アジアに適合するのでしょうか。開かれた公共空間、個人と社会の共存、表現の自由といった概念が、身体ではなく頭脳のみで了解され、存分な議論がなされることもなく、「あやふやな民主主義」がインフレを起こしています。無条件に獲得すべきものとしてうやまわれている理想概念は、果たして本当にそのまま2015 年のアジアで機能するのでしょうか。「民主主義こそが理想である」という拙速な結論に待ったをかける議論をアジアのパートナーと展開し、そうした議論を促すアジア各国の芸術作品と社会理論を紹介していきます。


【Scene / Asia4つの柱】

1)アニュアル・キュレーション:年間テーマに即したパフォーミング/パフォーマンス・アートのオンライン・キュレーションを展開
2)アニュアル・シンポジウム:キュレーター、リサーチャー、観客が一同に会して、相互に思考を深めるシンポジウムを開催
3)リサーチ・プラットフォーム:アジア各地で展開するリサーチの公開アーカイブ作成
4)オーディエンス・イベント:キュレーターと観客が共に参加するアジア観劇ツアーやイベントを開催(2017年より実施予定)


【キュレトリアル・チーム】

チーフディレクター: 岩城京子(日本)
ゴン・ジョジュン、ファンツゥ・ツー(台湾)
キム・ヘージュ、ソ・ヒョンソク(韓国)
ジェイソン・ウィー(シンガポール)
ルイジュン・シェン(中国)
大舘奈津子、鈴木理映子、ウィリアム・アンドリューズ、相馬千秋(日本)

主催:特定非営利活動法人芸術公社
助成:国際交流基金アジアセンター、公益財団法人セゾン文化財団
公式 HP :

Posted on by K.Iwaki in NEWS / ニュース
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