K.Iwaki

【ARTICLE】Judith Knight インタビュー

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1979年に設立されて以来、ロンドンの小劇場界を一手に支えてきた中間支援団体 Artsadmin。5つのリハーサル室と劇場(208席)を備えたトインビー・スタジオを運営するとともに、保守的な英国演劇界ではあまり光があてられてこなかった分野横断的な表現にフォーカスをし、支援を行ってきました。近年では、障害のあるアーティストを支援する「アンリミテッド」をアーツカウンシルからの助成を得てShape(1976年設立の障がい者アート支援団体)とともに運営。 また、環境問題とアートを結ぶ欧州プラットフォーム「 Imagine 2020」の創設にも参画しています。その活動が注目されるアーツアドミンに関して、創立メンバーであり、30年以上にわたり組織を率いてきたディレクターのジュディ ス・ナイトさんにインタビューしました。舞台制作、助成金獲得と配布、若手作家・制作者・批評家育成、環境問題へ芸術的に取り組むフェスの設立と、一人十役ぐらいの活躍。ほんとうに頭がさがります。

記事はこちら>>> http://www.performingarts.jp/J/pre_interview/1502/1.html

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【NEWS】芸術公社 設立記念シンポジウム

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NPO法人「芸術公社」が、2015年1月23日、フェスティバル/トーキョーの前ディレクターである相馬千秋さんを代表理事に設立されました。その設立シンポジウムに、私もメンバーのひとりとして登壇しました。芸術公社と名前を聞いただけでは、どのようなミッションに取り組む組織なのか見当がつかないかもしれません。組織のミッションは、以下の通りです。

「芸術が今日の時代と社会に応答し、未来に向けて新たな公共理念や社会モデルを提示しうるものであるという認識のもと、同時代芸術に関わる事業の企画および実施を通じ、日本およびアジア地域の芸術文化振興に寄与します」

そして、上記ミッションの実現に、4つのアプローチから取り組みます。

1.「あたらしい公共」を提案し、体現する

インディペンデント(個)とパブリック(公)を繋ぐ「あたらしい公共」として、公共、民間問わず多様なイニシアティブと連携しながら、芸術文化を通じ、あらたな社会モデルを提案、体現します。

2. 時代と社会に応答するあらたな芸術の方法論を提唱し、実践する

「芸術のための芸術」にとどまらず、歴史や社会から思考し、問いを立て、現実の社会に影響を与えうる同時代芸術の形を探求し、その方法論を提唱、実践します。

3. 異なる専門性を持つディレクターによるコレクティブ

上記理念を体現するために、プロデューサー、エディター、リサーチャーなど異なる専門スキルを持つ複数のディレクターがプロジェクトごとにユニットを組み、ディレクター・コレクティブとして活動します。

4. アジアにおけるプラットフォームを目指して

国内のみならずアジア、世界において上記理念を共有する個人や組織と連帯し、アジアの諸地域で活動を展開、同時代芸術のためのプラットフォーム形成を目指します。

上記ミッションに対して、13名の設立メンバーが、全員同じ解答を持っているわけではありません。かなり個々に違います。芸術公社はその差異をならしたうえで始動したプロジェクトではなく、バラバラな意識をバラバラに携えたまま、ただ、おのおの「芸術と社会の連関性」になんらかの危機感と問題意識をもったうえでこの組織に参加しました。

以下リンクから、設立シンポジウムで13名が語った「芸術と社会」にまつわる発言を読むことができます。本当になかなかなに種々雑多な発言です。

>>> http://artscommons.asia/reports/ac-symposium

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【Article】日常の身ぶりで祖霊の時間とむきあうドラマツルギー——飴屋法水『いりくちでくち』

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国東半島芸術祭で上演された、飴屋法水さんのツアー・パフォーマンス型演劇作品『いりぐちでぐち』についてのレビューを、オンライン・アート誌「ARTiT」に執筆しました。原稿は下記リンクから読めます。

>>> ARTiT 「日常の身ぶりで祖霊の時間とむきあうドラマツルギー
飴屋法水『いりくちでくち』

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【BLOG】2015年

皆様、あけましておめでとうございます。

私事ですが昨年は生活のテンポをつかむために苦労した一年でした。

いままでつづけてきた日本語のジャーナリスト活動とはちがう規律を要求される、英語での論文執筆。さらにそのうえに覆いかぶさる、はじめてのロンドン大学での講師仕事、海外での学会発表、海外でのシンポジウムのオーガナイズ。慣れないことが多く、時間効率がつかめないまま最初の半年は過ぎ去りました。大げさでなく朝から晩まで机にむかっても、納得のいく文章が一行も書けない。駆け出しのライターのような苦行を十年ぶりに味わいました。結構これはしんどかった。

ただ石の上にも三年とはよくいったもので、アカデミズムに入って三年が過ぎようとする九月頃から、それまでの中学生作文が、徐々にではなくいきなり脱皮しはじめました。人がそれなりになるには一万時間が必要だと言われますが、だいたい一日に九時間勉強する換算で三年机に向かえば1万時間です。まあ、まだ一流とは言い難い英語文章ですが、人に読んでもらっても恥をかかない程度のものは書けるようになった気がします。

おもしろいことに、英語の文章訓練を継続していたら、日本語での文章執筆が信じられないほどラクになりました。まるで「大リーガー養成ギブス」をはずした星飛雄馬の気分。いつもの十分の一ぐらいの負荷で単語が、文章が、頭から出てくる。異国語脳で書きつづけることで、母国語脳のポテンシャルを改めて自覚しました。しかしなぜ前者を鍛えることで、後者が成長するのか。脳は不思議です。

ロンドン、パリ、ブリュッセル、ベルリン、エディンバラ、カーディフ、アバリストゥイス、リュブリヤーナ、光州、ハワイ、静岡、国東、広島といろいろと今年も旅をしました。でも旅で得られた「差異」の学びより、今年は自分のなかで文章執筆の「安定的テンポ」をつかめたことのほうが大きな収穫。これは日常のすべてを別の視野から切りとる人格がもうひとり固定化された感じ。だから三つ目の執筆言語を習得したら、また新しい人格が生まれるのかな、とか欲張りに考えてちょっとそれに挑戦したくなっています。

ロンドンで家選びをまちがえて凍死しそうになったり、回教徒の家に住んでキッチンをまったく使わせてもらえず栄養失調になったりしたので、とりあえず新年は、あんまり自分のテンポを大幅に崩さない生活圏で日々を送れたらもうけものです。朝、コーランを唱えてる家で起床すると、自分が誰で何をしてる人間だかわからなくなってきますから。笑いごとじゃない。生活の基盤を整えて、それではじめて仕事の精度もあがるってものです。

今年はマラソンのような一年になりそうです。なのでテーマは「回復力」。ダメージを受けてもすぐにリカバーできる持久力をつけて、淡々とそれなりの速度で休みなく進める一年にしようと思います。

友人、知人、仕事関係のみなさま、昨年は大変お世話になりました。本当に日本に帰国するたびに、自分を認知してくれる誰かが存在して初めて人は「一貫性のある生」を紡いでいけるんだなと実感します。

世界はどんどん物騒になっていますが、皆様の一年が穏やかなものでありますように。

皆様、今年もよろしくお願い致します。

 

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【ARTICLE】敵も血もない、現代の「戦争物語」

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Grounded written by George Brant

 

古代ギリシャの時代から「戦争」はポピュラーな演劇の題材だった。トロイア戦争に出陣したアガメムノンも、ノルウェー軍と渡りあった武将マクベスも、共に故郷に戻り自宅で恐妻とやりあうまでは、戦地の敵と血まみれになり闘った。だが、2013年現在の戦争演劇はやや趣が異なる。まず敵が見あたらない。血や暴力が見えない。さらに言えば、登場人物が果たして「戦時下」を生きているのかさえ定かでない。今年のエジンバラ演劇祭で初演され話題を呼んだ一人芝居『 グラウンデッド』(2013年、ゲイト・シアターにて観劇)は、筆者の知る限り、いわゆる現代のドローン戦争を初めて真正面から扱う極めてアクチュアルな演劇作品であった。

登場人物は「パイロット」と名乗る女性空軍兵士(ルーシー・エリンソン)ひとり。昔から「めちゃくちゃやりすぎ」で男勝りな操縦士であった彼女は、出産を機に「青の世界」から「灰色の世界」に転属される。つまりラスベガスにある安全な軍用基地で灰色のスクリーンを12時間にらみ、アフガニスタン上空を飛ぶ無人兵器を遠隔操作して、ただのピクセル画像でしかない敵(のように思えるドット)を爆撃する任務に就くのだ。

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